1回生Hです。2024年2月23日に京大宝生会仕舞百番舞う会が稽古場で開催されました。その様子をご報告します。
9時始曲予定だが、紋付を着ようかなと思っていた1回生が30分前頃から集まり始める。しかし自分では袴がつけられないこと、着替え用の部屋の鍵の手続きがよくわからないことで、今日舞う仕舞の復習が行われる。しばらくしてOBのYさんが到着して始曲。まずは1回生前期で習った仕舞を中心に、初番目、二番目、三番目…と順に舞っていく。地謡に入れるということも相まって出番も多い。
お昼ごろ澤田先生が東京から新幹線で来られ、これ以後は「小鍛冶は短い曲」「三輪は天岩戸の話で、『面白い』の語源」「杜若キリは2回生でできるね」など曲ごとに短い解説を入れてくださった。それからしばらく、最近習っている仕舞の復習をしたり、1回習った地謡に入ったりした。そして開始から6時間経過時点で50番。「この時間に半分で『歌占』はまさに地獄」とつぶやく声がする(「歌占クセ」は様々な地獄めぐりをする場面)。
夕方になると、観世会の1回生のTさんが参加。宝生流でほとんど出ることのない、「芦刈クセ」を舞ってもらった。
宵も過ぎ、連続で地謡に入られているOBの方にさすがに疲れの色が見える。また、実は当日2人体調不良で休みがあり、切れる手札が不足してきた。Mさん、Yさん、Kさんなどが復習しつつ何とかつないでくださる。一度王将の餃子で頼んだ出前を食べて休憩し、最後の2番。「船弁慶キリ」ののちに「五雲」(宝生流の付祝言)を謡い、百番会を終えることができた。終了時刻は…なんと22時12分!
参加者で集合写真を撮り、会はお開きとなった。
この会では、「小督」の馬に乗る型、「春日竜神」の波を蹴立てる型、「鵺」の流される型などの特徴的な型を知ることができ、「経政キリ」「融」のような舞ってみたい仕舞も見つけることができた。さらに百番会は、1人で10番以上舞う人もいるし、当然100種類の仕舞がみられる。通常の舞台では1人につき仕舞は1番であり、その種類も全宝連でさえ40番(筆者調べ)なので、百番会を見ると仕舞ごとの雰囲気の違いや、クセ舞の共通点が少しわかってくる。鑑賞の経験値は、今日一日で相当溜まったと思う。
今回、OBの方のご厚意で、1,2回しか稽古していない謡にも、入れていただくことがあった。「敦盛クセ」「班女クセ」などであるが、やはり止まってしまうことも多く、OBの方のしっかりした謡の中ではほとんど聞こえなかったのではないかと思う。しかし、流れに乗れてしまえば意外と謡える箇所があったり、謡本と地頭の声の両方に注意を払ったり、必死の謡の中での学びがあった。
2年後の百番会では、5番舞い、20番地謡に入りしっかり謡うことを目標に稽古していきます。
参考
https://sawada-noh.com/2024/02/24/%e7%99%be%e7%95%aa%e4%bc%9a%e3%81%ae%e3%83%86%e3%83%bc%e3%83%9e/ ←澤田先生のブログ(百番会の記事)
https://yamada-shohei.jp/ ←山田さんのブログ
稽古頑張りましょう〜