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宝生会の活動

新学期も近づき、そろそろ履修含めて予定を考えねばと思っています、1回生、Hです。3月中は帰省に引っ越しに合宿にと息つく暇もなく、ようやくまとまった時間が取れたところです。3月には、1回生でのユニバ、逢坂山への散歩、伏見稲荷観光(以上は正規の活動ではないですが)、合宿等様々なイベントがありましたが、どうやらそれらについて書くには時間が足りないようです。今後書く機会もないだろうと思うと残念ですが、今回は新歓期に一番需要があると思われる、宝生会のいつもの活動について、自分の体験ベースで書いていこうと思います。なお、過去にもこのブログで「能楽部員の一年」という記事が上がっていますので、そちらも併せて参考にしてください。


4月は、新入生が入ってくるので、新入生の稽古体験や能楽ワークショップなどが活動のメインになります。能楽では、オウム返しという稽古方法をとり、上回生が一句謡い、下回生がそれをマネするので、教えることでも学びがあるそうです。稽古後は新入生をご飯(おごり)に連れていきます。私は、ワークショップに参加したのですが、謡は全く聞き取れないし、舞は意味が分からないしで、「なんだか雰囲気があるなあ」程度で、どちらかというと、入部しない寄りでした。ただ、ご飯での先生や先輩の話が面白く、加えて能のストーリーや精神性のようなものに惹かれて、何となく続けて今に至ります。この入部動機は人によって本当に様々なようで、装束や面に興味を持ったり、舞がきれいだと思ったり、ご飯で釣られたり(ご飯は大体の部活で新歓期は奢り…)と、本当にご縁のような理由が多いです。


4月末ごろには、だんだんと稽古が本格的になってきます。私は、最初の師匠稽古で、20分くらい正座したところ、立ち上がった瞬間に足が吊ってしまい、「正座無理!」と退部を覚悟しました。今では足を組み替えながらであれば1時間以上正座できるようになってしまいましたが…。


話が前後しますが、稽古は3種類に分かれます。1.澤田師稽古、2.吉本師稽古、3.通常稽古です。澤田師稽古では、仕舞の稽古をつけます。仕舞は、3分ほどの短い舞で、1回の稽古で2~3回ずつ先生に一つ一つの動きを丁寧に教えてもらいます。舞とは言っても、舞踊のような複雑な動きや身体能力は必要なく、すり足のような「運び」、扇を持ったまま腕を上げる「サシ」等、基本的な30程度の型の組み合わせで、覚えること自体は難しくないです。ただし、派手な動きがない分一つ一つの型の美しさが舞の出来に直結し、さらにどの動きも日常のそれではないため、上達は稽古次第ということになります。吉本師稽古は、謡の稽古です。西洋音楽に拍があるように、実は謡にもリズムがあります。しかし、拍子に合わない部分があったり、拍子に合う部分も拍がわかりにくかったりするので、最初は、とりあえず引き音(何拍伸ばすか)や節の謡い方をメモします。また、能の謡い方は、声を腹の底から出し、一音ずつハルことを意識するというもので、これについても先生からの指導があります。最後に通常稽古ですが、これは学生だけの稽古で、仕舞も謡も、舞台に向けて稽古すべきものを優先したり、仕舞組と謡組にわかれて稽古したりと様々です。


5月末には関西宝連(関西の学生舞台)があり、そこでは『鶴亀』という謡(15分くらい)と、習った仕舞を1番ずつ出します。『鶴亀』は、無本(覚える)の場合もあるようですが、確か去年は稽古で書き込んだメモのある謡本を見ながら謡いました。今年は上回生の人数がおり、下回生が間違えても謡が崩壊することはなさそうなので無本になりそう…?仕舞については(も)、間違えても上回生が何とかしてくれます(笑)。総じて最初の舞台は、「とにかく声を大きく!」ということがメインなので、間違えないのは二の次です。


6月末には全宝連(全国の学生舞台)があります。ここでは、『敦盛』という、平家の武将の話を出典とした曲を謡います。これは20分くらいですが、結構役の部分が多いので、覚えるのは難しくないです。去年は当日無本になっててんやわんやでしたが、何とかなりました。


このあたりから、新入生というより1回生という感じになってくるので、とりあえずこのあたりで筆を置くことにいたします。雰囲気が合うかどうかは来てみなければわからないところがあるので、宝生会はもちろんですが、個人的にはいろいろなサークルを回ってみたらよいのではないかと思います。

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