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多趣味なあなたへ

こんにちは。文学部2回生のOです。

今回は1回生に身近な話題として、やはり、どうして能楽部宝生会に入ったかということをお伝えします。

サークルで能楽をしていますと伝えると、元からやっていたんですかと聞かれることもありますが、そうではないです。実は入学前に見ていたサークル大百科で狂言会の可愛いイラストと説明を見て、京都で伝統文化に関するサークルに入るのは楽しいかもしれない、とは考えていました。でももともと自然や登山、もしくは音楽的なものに関心があって、民族舞踊をするサークルや、山岳部にも見学に行きました。民族舞踊の方は、なかなか新入生も多く、新入生を連れての活動後のご飯などにも何度か行きました。かなり入ろうとも思っていたのですが、少し自分にはノリが良すぎるかな、とも感じて、踏み切れずにいました。山岳部の方は、人数は少なめでも同回生が多く、厳しくも楽しめそうでした。しかし少し危険だということもあって、結局入れませんでした。

そこまで悩んだのが5月の初めごろだったので、サークル選びに関して、私はだいぶ優柔不断なタイプでした。こんな私ですが、宝生会に入るまでにはそれほど迷わなかったんです。


全学共通科目の教室にあったチラシを見て、そういえば能楽部…と、このとき思い出したのでした。流派の違いは分かっていなかったので、宝生会のものだったかは実はわかりません(笑

学生集会所は分かっていましたが、階段を降りた踊り場のところで壁に貼ってある宝生会のチラシを見ながらじっとしていたら、たまたま3回生だった先輩が通りかかり、今やっているから見ていきなよ、と言われたのです。能楽部の部屋はかなり奥にあり、一人で入っていくのは勇気がいる場所だったと思います。その日は運がいいことに、舞の師匠が来てくださっている日でしたので、舞を見せてもらったり、直接教えていただいたりしました。師匠の人柄の良さが、初対面でも伝わってきて、こんな先生に習えるのはいいなあと思いました。先輩方もとても優しかったです(新歓に行って優しくない先輩はいないので、今でも先輩方は優しいですというべきですね)。

その後奈良の興福寺でやっていた薪能(夜間に火を焚いてやるものですごく雰囲気がいいです)に連れて行ってもらい、能は難しくてよくわからないけど、先輩も先生も雰囲気がいいから、やってみよう、と決めたのでした。

散々迷ってサークルに入らないまま5月になっていた私ですが、急な巡り合わせでいい場所が見つかって良かったと思います。これはもう余談になってしまいますが、能楽は舞、謡という体を動かすこと、音楽、さらに衣装、能楽堂の建築、そして能のお話自体は文学ともいうことができ、総合的な芸術です。能に出てくる場所を巡るという楽しみも大きいです。ですから、割と多趣味な人にも向いているかもしれません。今は音楽的な部分がマイブーム、とか、とにかく能のゆかりの場所を歩くのが楽しい、など、後からそういえばこういうの好きだったな、と気づくこともあると思います。考えてみれば、能楽を通じて自分が楽しんでいることは、音楽的な活動であったり、自然を感じること(それも、物語の舞台という見方を加えて)とも言えるかと思います。

1回生のみなさん、それぞれに好きなことがあると思いますが、思ってもみなかった分野のサークルに入るようなことがあっても、結局何か元から好きだった部分につながってくるのだと思います。選択肢を広く持って、偶然の巡り合わせを大事にすると、面白いことがあると思います。


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