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今日は日食が見られるということで、家のベランダから観察を試みたのですが、よくわかりませんでした!曇っていたので欠けているのか雲で隠れているのか分かりませんでしたね!次に日本全国で日食が観察できるのは2030年の6月1日だそうです。
さて今回は「正座」をテーマに書いていこうと思います。
能をやっていると必然的に正座をよくするようになります。例えば仕舞では舞う人は当然立って舞うのですが、地謡(後ろで謡っている人)は板の間に正座しています。素謡(能の一つの曲目を謡のみで発表する形式)をするときも舞台上に正座で並んで謡います。これは20分くらい正座し続けていることもあります。ふだんの稽古のときも畳に座布団を敷いて正座でしています。最近はzoomによるオンライン稽古をしているのですが、その時も正座しております(画面には映らないのでこちらが正座していることは伝わらないのですが...)
図1 素謡の様子
図2 仕舞の様子(後ろに並んで座っているのが地謡)
こんな感じで能楽部員はよく正座をします。習慣化されてくると居酒屋の座敷など畳の間に上がったときに言われなくても正座してしまうなんてこともあります。大学に入るまでは正座する機会なんて親戚の法事くらいしかなかったのに、習慣とは不思議なものです。
舞台を見に来た人に「ずっと正座してて痛くならないの?」とか「能やってて正座に強くなった?」と聞かれることがたまにあります。これらはちょっと答えにくい質問ですが以下に個人的な考えを書いていこうと思います。
結論から書くと「強くはなるが、痛いときは痛い」です。何も言ってないの同然みたいな回答ですね。すみません。
一回生で始めたときより今の方が強くはなったと思います。一回生のころ先輩と謡の稽古をしていたとき、当時の自分がよほど正座が辛そうにしていたのか、先輩が頻繁に稽古を切って休憩を入れてくれたのを覚えています。(という経験があるので自分も後輩と稽古をするときは自分が痺れてなくてもこまめに休むようにしてます)。先ほど素謡では20分くらい正座し続けていることもあると書きましたが、今ならそのくらいの時間は慣れたので平気です。
また、慣れてくると痺れない小技(?)を覚えるというのもあります。足を重ねてみたり、痺れにくい体重のかけかたを見つけたりといった具合です。
ちなみに正座で痺れるのは脛の辺りの浅いところを通っている総腓骨神経が伸ばされた状態で体重で圧迫されるからだという話を聞いたことがあります。なので体重が均等にかかるようにすると痛くなりにくいらしいです。個人的には腰を立てて胸を張り、やや前の方に体重をかけるようにして正座すると長持ちする気がします。あと、ゆったりしたものを履くといいと思います。袴は正座するには楽です。ジーンズで正座はハードモードですね。
また、かつて先輩に「正座に強くなる一番の方法は体重を減らすこと」という話をされたことがあります。でも正座に強くなるためにダイエットする部員は未だ見たことはありませんね...
強くなったとはいっても痛いときは痛いです。特に能をまるまる一番やるときの地謡は一時間以上正座しっぱなしのこともあります。これはなかなか辛いです。普通に終わった後立てません。それでもプロの能楽師の方々は1時間以上の正座の後でも涼しい顔で歩いて舞台から出ていかれるので、何年も修行していたら能一番を耐えられる正座力(?)がつくのかなと思います。
最後に正座で足が痺れて動かないときの対処法を紹介して終わりにします。
足が動かないときは無理に立ってはいけない
手で足首を曲げるなどして、足の裏が地面に着けば立って歩ける
の2点です。特に1.は大事です。無理に立つと転んで怪我をします。どうしても立たねばならないときは2.の通り自分の手で足首を曲げるか周りの人に手伝ってもらって頑張って足の裏を地面に着けましょう。こうすればすり足で歩けば安全に立って歩けます。
今回はここまでです。最後まで読んでいただきありがとうございました。
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